PENTAX   S2ス−パ−

ダイド−教信者達の中古カメラ

ダイド−が使っていたということで一躍有名になったことのあるカメラである。僕自身はそれほど影響を受けていないが、ちょっと憧れた時期もある。

カメラを買う動機というのは、もちろん写真を撮るためというのが一番であるが、中には単にコレクションという目的で金にまかせて希少カメラを買う人もいる。こういう人はライカとかコンタックスとかのクラシックカメラを狙うだろう。
しかし憧れの人が使っているから、同じモデルのカメラを所有したいという人を僕は好きである。

発売は最高速1/500秒のS2が1959年、、、だははは、僕の生まれた年である。そして最高速1/1000秒を搭載したこのS2ス−パ−が1962年。
実はこの前にS1という機種がある。少量、生産されたらしいが、まさに幻のカメラである。
スタイルはほとんどS2と一緒である。何故S1ではなくS2を主力発売したのか、今もって謎であり、コレクタ−の間でもいろいろと話題となっている。

今みれば何の特色もないカメラであるが、S2は当時は爆発的に売れたらしい。価格がこの前モデルのK型51500円に対し35000円。売れないはずがない。
クイックリタ−ンミラ−はこの時期になるとあたりまえとなっているが、レンズが自動絞りとなっていない。S2ス−パ−くらいからやっと完全自動絞りとなってくる。
アクセサリ−シュ−、外部露出計はアクセサリ−として用意されていた。
マウントはM42スクリュ−マウント、いわゆるプラクチカマウントである。この当時万国共通のPマウントは今でも豊富なレンズ群を付けられるので重宝である。同じくPマウントの名機SPが発売される2年前のカメラである。

みのかんのS2s

シャッタ−幕が緩んでいるということでジャンク品として買った。もちろん自分で調整して今はちゃんと使えるが、単体露出計で測りながら撮影するリズムというのもなかなかのものである。この場合、目に入ったものを撮るというのではなく、被写体をじっくり観察できるからである。
このモデルは以前ずいぶん憧れた。田中長徳氏の「銘機礼賛」にこのカメラのことが詳しく書かれているからである。思えばこの本にずいぶんと影響を受けている。「銘機礼賛2」も面白かったが、やはり最初の本のほうがカメラへの思いやり、思い込みが強調されていて名著だと思う。
このカメラを一台だけで川西町の周辺を歩き回った事がある。今時意味もなく写真を撮る事も珍しいだろうが、ぶら下げているカメラがこれまた古い一眼レフである。目立ったことこの上ない。しかし当時はそれを自慢にしていたのだから、こちらは得意顔である。
特に人に迷惑をかけているわけではないしと開き直り半日近く歩き回った。
お昼に小島屋本店のそばがうまかったのが忘れられない。

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